高校生の頃から、右下の6番目の歯が歯根嚢胞(しこんのうほう)になってしまいまして。
ド田舎の小さな歯医者さんにしか通ったことがなかったのもあり、うまく治療をしてもらえないまま約7年後、抜歯してインプラントにすることとなりました(当時25歳)。
そんな私が、歯根嚢胞になった時や、あごの骨が溶けてからの症状、抜歯前の症状に抜歯後はどうなったかなどをまとめます。
根管治療のやりなおしで治ったはずだった
まず、私は中学生くらいで右下の歯(親知らずを入れないで奥から2番目の奥歯)の神経を抜きました。
そして18歳くらいになったころ、なんだか治療したはずの歯がずーんと痛む?というか、変な感じがするなぁと思って歯医者に行ったんです。
すると診断は、歯根嚢胞ではないかとのこと。(※この頃はほとんど歯茎の腫れはナシ)
かぶせものの銀を外し、改めて歯の根っこにある神経を丁寧に掃除してもらい、薬を詰めてもらって3日分の抗生物質を飲み、その後また銀のかぶせものをしました。
これで、歯根嚢胞は治ったはずだったんです。
数年が経過するも歯茎に異変が…
2度目の治療から3年ほど経った頃だったかな。なんだか、右下のあごの骨?が、大きくなってきたというか、ふくらんできました。
ちょうど以前に歯根嚢胞になった奥歯の真下です。そこの歯茎が、凸←こんな感じで、そこだけボコッとふくらんできたのです。しかもめっちゃ硬い。そしてなんだかズーンと重い感じがする。噛むと違和感がある。
またまた歯医者さんに行きましたが、医師は「前に神経もちゃんとやり直したしなぁ~。治ってると思うけど…まぁ抗生物質出しておくから」ということで、抗生物質だけ貰って帰りました。
アゴの変なでっぱりについては「骨が大きくなったのかな。歯を支えようとして育ったんだと思う」とのことでしたので、そういうこともあるのか~と納得して帰りました。
その後も何度か同じ内容で受診しましたが、いつも抗生物質を3日分出されるだけでした。
歯茎が腫れ出してからの症状、痛み方など
20代に入り、あの右下の銀歯の下のハグキは、どんどん大きく膨れていきました。
しかも、24歳ごろには変な現象が始まったんです。
銀歯と歯茎の境目に、白い何かが溜まるんです。なんだか、ふよふよーっとした…これは…もしかして膿なんじゃなかろうか?
また受診しますが、また抗生物質だけ出されて終わりです。何度行っても、もう治療済みだとのこと。歯茎がボコッと膨らんでいるのも、骨が歯を支えようと大きく成長しただけだと言います。
こんなに硬い膿がある訳ないでしょ、どう考えても骨だよとのこと。
しかし、もうその頃には歯茎のふくらみは親指の先から第1関節までの大きさよりも、さらに大きく膨らんでいました(とはいえ口の中なので、頬が膨れたりとか外から見て分かるってことはなかったです)。
歯茎の内側は全く膨らまず、外側にだけ膨らんでいました。
そしてなんだか、ずーんと重いのです。痛いというか、重い。アゴ全体が。
あと体調が悪い時は痛い気もしました。痛いというか、こう、ハグキをグーッと圧迫され続けているかのような鈍い感じの変な感触です。たまに、ズックンズックンと脈打つ感じでうずく時もありました。
あと、ものを食べた時に歯が沈み込むような変な感覚と、重い痛みもありました。
歯茎のふくらみが常に頬の内側に当たるのも変な感触で、何年経っても慣れませんでした。
膿っぽいものが出る頻度が高くなり、ちょうどそのタイミングで別の歯医者にかかったのがキッカケで、即抜歯となりインプラントを入れたのでした(この話はこちらの記事にまとめてます)。
歯根嚢胞の治療法
歯根嚢胞の治療法には、私がやったようにかぶせものを取り、改めて神経のところをきれいに掃除し直し、消毒して薬を詰めるという方法があります(感染根管治療)。
他には、歯茎を横から切開して膿を出し、縫うという方法もあるようです。
なぜここまでするかというと、歯の根っこを失えばもう、インプラントにするか部分入れ歯にするか、前後の歯を削ってブリッジにするかになってくるからです。
神経が死んでいたとしても、歯の根っこだけでも残っていれば、かぶせものをかぶせるだけで何とかなります。なのでできるだけ歯の根っこだけでも温存できないかと頑張ることになります。
あごの骨って本当に溶けるの?
実際に私も新しく行った歯医者でレントゲンを撮りましたが、ハグキの膨らんでいた部分は真っ黒に映っていました。
普通は骨がある部分は白く映るので、黒く映っているということはつまり、骨がなくなっているってことになります。
歯根嚢胞は歯の根っこよりもっと奥の、歯を支えている骨の中に出来ます。私の場合は7年以上も放置していましたので、かなり大きく溶けていたそうです。
「あごの骨、溶けてますね」と歯医者さんに言われた時はもうビックリでしたよ。前の歯医者には、骨だから大丈夫ってずっと言われてたんですから。
なのに実は、前後の歯も抜けてしまいそうなくらいに大きくあごの骨が溶けていたのです。
しかも硬くて骨みたいだったのは、膿で歯茎がパンパンに張っていたからだそうです。歯が沈むような感覚は、膿の上に歯が浮くような状態になっていたからでした。
……ということで、骨、マジで溶けます。骨が溶けるだなんて、ビックリですけどね。
私くらい長年放置すると、もう抜歯するしかなくなっちゃうんですが、早めに気付けばなんとか歯の根っこを保存する治療もできます(根管治療のやり直し)。
これでうまくいけば膿はもうたまらなくなります。しかし、何度も再発するのであれば抜歯になるかと。。歯を抜いちゃえばもう絶対に再発しませんからね。
もし歯茎が硬く腫れてきたとかそういう症状があれば、歯医者さんで相談してみるといいと思います。レントゲンを撮れば分かりますし。
…というか、なぜ前の歯医者では頑なにレントゲンを撮ってくれなかったんだろう。。。
なお、これは神経を抜いた歯の根元に起こるそうです。まれに外傷で歯の神経が死んでしまい、歯根嚢胞になることもあるそうですが、歯の神経が死んでいない限りは大丈夫だそう。
なので、『歯の神経を抜かなくてはいけないほど、虫歯を悪化させない』という予防が一番効果的です。
私は20代だったのもあり、溶けたあごの骨が1年ちょいでインプラント可能なくらいにまで育ってくれました(元の骨よりは細いままですが…)。でも、年齢を重ねるとなかなかあごの骨も戻りにくいようです。
ちなみに、あごの骨が溶けると言ってもアゴが割れるほどの勢いでは溶けないので、見た目はごく普通の顔のままでしたよ。
パッと見で分かるほど変形はしないです。あくまで歯の根元が溶けて穴が開いた感じになるのです。
抜歯後の嚢胞はどうなったか
抜歯した時に、かなりの数の嚢胞が摘出されました。
嚢胞というのは膿のたまった袋なんですけど、大きい膿の袋があるんじゃなく、小さい膿の袋がいくつも歯茎の腫れの中に入っていたんです。
これが、抜歯した後にピンセットでつまみだしていたんですが、いくつも出てくる……歯医者さんも、「いっぱいありますね!」と驚いていました。
長年放置したせいで、両隣の歯の根っこの骨まで溶けかけていましたから、かなりの量の膿が溜まっていたようです。
ちなみにここまで悪化させてしまうと、何かの拍子に炎症が起これば首まで腫れあがり、そうなると麻酔が効かなくなって痛みを我慢したまま抜歯しなくてはならないという危険な状態になるそうです(それで診断翌日にすぐ抜歯しました。幸い麻酔もよく効いて痛みはほぼなかったです)。
歯茎に異常があれば早めに歯医者さんを受診しましょう。
抜歯後、たった数日であの骨のような硬いふくらみは崩れてきました。
腫れて飛び出していた部分を、おたまですくって取り除いたみたいな感じで腫れが数回に分けてゴソッと減っていきました(説明が難しい…)。
そして1ヶ月経つ頃には、腫れなんかあったっけ?っていうくらいに、普通の歯茎より細い歯茎になったのでした(骨がなくなった分細くなった)。
抜歯をしたので膿は完全に消え去り、歯根嚢胞も再発することがなくなって、膿が消えたお陰なのか体調もすごく良くなったんですよね。
だいたい抜歯してから1か月後には「あれ、なんだかズーンと重かったのがマシになってる…」って気づいて、インプラントの手術をする頃には全身の体調がかなり良くなってました。
なのでもしかしたら、あの大量の膿は体全体に不調をきたす原因になっていたのかも?なんて思ってます。
本当に抜歯前と抜歯後の体調はかなり大きく違ってますので。
現在はお陰様で、すこぶる元気です^^
・虫歯により歯の神経を抜く
・数年後、違和感があり歯根嚢胞と診断され、再度の根管治療を受ける(歯茎の腫れはほとんどナシ)
・それから数年後、ハグキが硬く膨らみ始める
・治療をしてもらえないままトータルで7年ほど経過
・新しい歯医者で診察&セカンドオピニオンを受ける(歯医者さんが何人もいる歯医者だったため)⇒翌日抜歯手術⇒その後1か月以内に歯茎のふくらみが消失⇒1年3か月後にインプラントの土台を入れる手術(アゴの溶けていた部分に骨が育った)
・抜歯すれば再発しません
歯医者は設備や口コミも調べて選ぶべき
いやー、あんなに何度も歯医者に通ったのに治療もしてもらえなくて、こんなになるまで悪化して、20代で抜歯になるとは思いもしませんでした。
家から近いっていうだけの理由で歯医者を選んじゃダメですね。
もっとちゃんとした設備があるとか口コミがいいとか、そういうところも含めて選び、家から少しくらい遠くてもちゃんとした歯医者さんに通っていればよかったです。
思えば、前の歯医者さんは治療も雑で設備もかなり古かったです。
でも産まれてからずーっとそこでしかお世話にならなかったので、「そういうもの」だって思ってたんです。
以前はそう思っていたものの、今はすごいですよ。
痛くない治療ができたり、CTが撮れたりするところは普通にあるし、そのうえ受付の方もお医者さんもみんな感じがいい歯医者もあるんです。
歯の根っこの治療が上手くいけば、もう膿が溜まらなくなりますので、根管治療が上手で、レントゲンを取って歯根の形を把握しつつ治療できるような設備がある歯医者を選びたいですね。
こういう歯医者さんは間違いなく、口コミも評判もいいです。
「まぁ、ここでいいや」と選ぶのではなく、一生ものの大事な歯ですから、歯医者選びもしっかり考えたいものですね。