本当は危ない?!石鹸を手作りする材料の苛性ソーダの危険性とは

肌が弱い私は、ミネラルファンデーションなどのミネラルコスメを使い、無添加の石鹸を使って顔を洗っています。

最近では頭皮のために、石鹸シャンプーを始めました。

そこで興味を持ったのが、『手作り石鹸』です。

今では石鹸を手作りできるキットも売られていて、個人で簡単に石けんを作ることが出来るようになりました。

作り方のレシピもネットで検索すれば出てきますし、本だって出ています。通信講座では、石鹸の作り方を学べるものもあります。

わたしは「これだ!」と思い、自分で石鹸を作ろうと思い立ちました。しかし、その前に色々と調べたところ、事前に知っておいた方がいい情報をいくつか目にしました。

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苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)は劇物指定されている

石鹸を手作りするにあたり、必ず必要な材料として『苛性ソーダ(かせいそーだ)』があります。

ちなみに苛性ソーダというのは、水酸化ナトリウムのことです。

簡単に言えば、オイル・苛性ソーダ・お好みのエッセンシャルオイルを混ぜれば手作り石鹸のできあがりです(出来上がった後熟成させる必要があります)。

この苛性ソーダは、基本的には薬局で買うことになります。

それも、運転免許証などの身分証明書、そして印鑑を持って買いに行く必要があります。薬局によっては売って貰えません。

それはなぜなのかというと、苛性ソーダは『毒物及び劇物取締法』という法律によって、『劇物』に指定されているからです。

毒物及び劇物取締法により原体および5%を超える製剤が劇物に指定されている。

強いアルカリはアミド結合(ペプチド結合)を加水分解するので、タンパク質を腐食する作用を持つ。したがって、皮膚等に付着したまま放置すると火傷のような(ぬるぬるする)症状を起こすので、付着した場合は即座に水で、きれいに洗い流す。

特に、眼に入った場合失明のおそれがあるので、取扱いには注意を要する。万が一身体に付着した場合はこすらずに大量の水で洗い続け、医師の治療を受ける。

出典:wikipedia

分かりやすく説明すると、【苛性ソーダはめちゃくちゃ強いアルカリ性である。劇物指定されるくらい危険】ってことです。

アルカリ性が非常に強いということは、皮膚が溶けるってことです。

カビ用の洗剤でもそうですが、手に着いたらぬるぬるしますよね。あれは皮膚が溶けているからです。

苛性ソーダを精製水で溶かし、そこにお好みのオイル(オリーブオイルやホホバオイルなど)を混ぜて石鹸を作る訳なんですが、もしも苛性ソーダを溶かした水が目に1滴でも入ろうものなら、失明の危険性があります。

だから、石鹸を作る時にはゴーグルが必須ですし、吸い込まないようにマスクも必須です。

もちろん、手についても危険なので手袋も必須ですし、体に飛ばないようにエプロンなども使った方がいいです。

もしこの苛性ソーダを溶かした水が床や机に飛び散るとします。家族やペットがそこに触れた場合には怪我をする恐れがありますし、苛性ソーダを触った手で目をかいたら、失明の可能性もあります。

それほど危険な薬品なのです。

どうやって危険を回避する?対処法色々

とはいえ、やっぱり手作りで自分の肌に合った優しい石鹸が作りたい!

そんな場合は、危険を回避できるようにしっかりと対処しておくことが大事です。

・必ず換気すること、窓を開けた場所で作業する
・子供やペットがいない場所で作業をする
・ゴーグル、マスク、手袋をして、長袖長ズボンを履き、エプロンを付ける
・作業後には作業場周辺を雑巾がけしておく
・残った苛性ソーダは子供やペットの手が絶対に届かない場所に保管する
(できればカギを付けられる入れ物が良い)

苛性ソーダの取り扱いに慣れてきた時が一番危険です。

車の運転でもそうですが、最初は緊張感を持っていますよね。でも慣れると「まぁ大丈夫だろう」と、ついつい注意力が散漫になってしまいます。

こんな時に事故は起きます。

ですから、常に「危険な薬品を取り扱っているのだ」ということを忘れないように気を付けましょう。

手作り石鹸を作った後、使用の際に危険性はあるのか

苛性ソーダ自体は劇物ですが、オイルと混ぜて化学反応が終わると「苛性ソーダ⇒脂肪酸ナトリウム」に変化します。こうなると安全です。

安全になるとはいえ、作り立ての石鹸はアルカリ性がかなり強いのですぐには使えません。皮膚が剥けます(;´∀`)

自分で石けんを作った場合は『熟成』させることが必要です。これはしばらく置いておくってことですね。これで熟成が進み、めっちゃ強かったアルカリ性が、石鹸として使用できるくらいの低さになっていきます。

pH試験紙などでpHを計り、pH9くらいの弱アルカリ性になったのを確認して、熟成は終わり。使用することができます。

…ということで、危険な苛性ソーダも石鹸になればもう残ってませんので危険性はありません。だからこそ普通に石けんが販売されている訳ですからね。

ただ、さきほども書きましたが、適当にゴーグルもつけずに作っちゃうとか、材料を計らず作るとか、熟成期間を待たずに使うとか、そういう風にすると肌には良くないばかりか場合によっては危険です。

市販の手作り石鹸は安全なの?個人販売は可能?

こういった話をすると、「手作り石鹸って危険だわ!」って思うかもしれませんが、販売されているものに関しては安全です。

というのも、体や顔を洗うために販売されている石鹸は、化粧品製造販売業の許可を取っている業者さんによって売られているからです。

この許可はなかなか取るのが難しいので、個人で手作り石鹸を販売するというのはまず無理です。

とはいえ、こういった許可なしに個人で手作り石鹸を販売してしまっている方もいる可能性があります。

雑貨として販売するなら問題ないのですが、もしも体や顔に使う石鹸として許可なく販売している場合は法的にアウトです。

しかし、こういった方がいないとは限りません。ハンドメイドの石鹸をオークションやフリマアプリなどで個人で売っている場合も考えられますので、気を付けましょう。

「個人ではなく会社で作っているものを買う」ようにするといいです。個人販売の手作り石鹸は避けた方が無難です。

化粧品製造販売業の許可を取らずに化粧品としての石鹸を販売した場合、薬機法(薬事法のこと)に違反しているということで捕まる可能性があります。

「手作りの石鹸がうまく出来上がったから、売ってみよう♪」なんて絶対ダメですよ!気を付けましょうね。

なお、雑貨としての販売であれば問題はありません。体に使わないことが前提だからです。

しかし、雑貨と言って売っているにもかかわらず、写真などで「体に使っていいんだなぁ」と消費者が受け取れるような感じで販売しちゃってる場合もアウトになります。

(例えば雑貨石鹸と言いつつ、女性が顔を石けんで洗っている写真を販売ページに載せている場合など)

この記事を書いた理由

…ということで、手作り石鹸を作る前に知っておくべきことをまとめてきました。

私もこういった情報を調べる前は「手作りなんだから体にもいいよね♪買ったら高いし節約にもなるかも♪」とか思ってました(;・∀・)

もちろん気を付けるべきポイントを押さえておけば、自分で作って自分で使う分には問題ありませんが…。

こういった情報を知らないまま気軽に石けんを自作できる環境が、今は整っています。便利ではありますが、危険性を知らずに使うことは良くないなと思い、今回こういった記事を書いてみました。

過度に怖がる必要もないですが、苛性ソーダを使う作業の際や余った苛性ソーダを保管する際には、危険なものだからちゃんと管理しよう!と気を引き締めてやった方がいいと思います。

そんなこんなで、私は石鹸を自作するのはやめておくことにしました。

代わりにと言っては何ですが、化粧水作りとか、リップクリーム作りなんかをやってみたいなーと思ってます。こちらは安全に作れますのでね。できれば安くて無添加のものを作りたいなぁ~と思って。

また事前に情報を集めたいと思いますよ。ではでは、これにて!

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