最近テレビでは、田舎に移住しよう!的な番組が放送されているのを見かける機会も増えました。
そんな放送を見ると、ド田舎在住の私でも田舎での生活がキラキラと輝いて見えてくるから不思議です。
でもね、”たまに田舎に買った別荘に来てのんびりする”のと、”本当に田舎で生活する”のとでは全く違うのですよ。
そりゃもう180度違う訳です。
そこで今回は、ガチの限界集落※に住む30代独身女性の私が、『住まないと分からない、本当の田舎暮らし』の体験談を書いていきたいと思います。今回は『自然と暮らす編』です。
なお私はド田舎生まれのド田舎育ちであります。都会から移住してきたわけではありません。
※限界集落とは、65歳以上の高齢者が人口の50%以上になった集落のこと。わが村では7割以上が高齢者です。
自然が多いメリットとデメリット
皆さんの田舎のイメージでよくあるのは、きっと『自然豊か』ということなのではないでしょうか。
それは本当なのかというと、本当です!
自然は豊かにあります…というか、自然の中に我々が住まわせてもらっているという感じです。
私は山の中腹にある一軒家に住んでいるのですが、まさに山の中に家があるので、坂を上ってくる時には家が木々に隠れて見えない状態です。完全に木々に囲まれています。
こんな感じで、自然たくさんのド田舎に暮らす場合のメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
・夏でも涼しい(木々から涼しい風が届きます)
・お隣さんが遠いので人目を気にしなくていい
・テレビを大きな音で見てもOK!映画や音楽も音を気にせず楽しめる
・野生のリスがベランダや家の近くの木々を通っているのが家の中から見られて可愛い
・庭で家庭菜園を楽しめる
・ベランダに出ればすでに森林浴状態
・鳥のさえずり、虫の音、星空などを楽しめる
・海が近ければ毎日釣り三昧。その辺で虫を捕まえて餌にすることもできる
・車通りも少ないため、空気がキレイ
・雨の日には雨のにおいがしたり、五感を刺激される
・カブトムシやクワガタなどは普通にその辺の木にいる
・用水路には小さい魚や小さいエビが生息
・テントウムシや蝶も多い。秋はトンボがめっちゃ出る
・都会より流れる時間がゆったりしている
・子供の情操教育にはいいと思う
デメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
・草木に囲まれているので花粉症の症状が酷い
・毎年9月ごろにはスズメバチとの戦いが勃発(巣をつくる季節です)
・野生のイノシシや猿はマジで危険
・野生のイノシシが庭にまで出没し、日が沈むと自宅の庭ですら危なくて出れない
・家庭菜園でビックリするほど虫が付き、最終的にイノシシやタヌキ、猿に持って行かれることもある
・割とよく大きなムカデや蛇が出る。立て付けが悪いと家の中に入ってくる
・クモがやたら大きい。蚊もやたら大きい。虫のサイズが基本的に大きい。
・秋にはよく家の中で鈴虫が鳴いている
・大雨や台風により、家の近くで土砂崩れが起こることもある
・庭に毒キノコが生えるので注意
・雨が降った後の雑草の繁殖力は異常
・早朝や夕暮れ時の森のお散歩は危険なので出来ない
ちなみに、お買い物とかご近所づきあいとか、交通網とかそういった点についてはまた別記事で紹介していきますね~。今回はあくまで自然との共存に焦点を当てております。
自然との闘いでは基本、人間が負けます
あくまで私の住む関西地域内にある過疎地の山の中の情報なのですが、わりと毎日のように野生動物や虫との闘いが繰り広げられています。
去年は家のすぐ横にスズメバチが巣を作りかけまして、ジェット噴射できるハチ用スプレーを手に死闘を繰り広げました。ブンブンうなりをあげてこちらへまっすぐ飛んでくるスズメバチはめちゃ怖いです。
ちなみにスズメバチの巣がすでに大きくなってしまったという場合は、専門の業者に依頼しないと命が危ないのでご注意を。
梅雨の時期や秋の長雨の時期なんかは、庭の一部をきれいに草取り⇒さぁまた別の場所の草取りをしようと思ったら、数日前にきれいに抜いたところから雑草がワサワサ生えていてショック!ということもよくあります。というか毎日そんな感じ。雑草の生える速度は本当に早いです。竹かよ!ってくらい早いです。
あと雨がよく降ったら庭でも毒キノコが生えてきますので、うっかり食べないよう注意してくださいね。
できれば触るのもやめておいた方が無難です。
また、一応観光地なので人間も1日に数人は通るのですが、「人のいない時間帯に森林浴しようっと♪」という感じで森の道を散歩した場合、野生のイノシシや猿に襲われる危険性があります。
ですので残念ですが、思ったより山の中をお散歩できる時間は限られています。真昼間のみです。
なお私は、今年はイノシシが年中出没しているため、1度も散歩に行けていません。山の中は木で光がさえぎられていて薄暗く、いつ出てくるか分からないのでやめています。
今年は特によく庭にイノシシが出るのですが、一度日が落ちてからイノシシと遭遇しまして、もう「あ、ヤられるな」って目があった瞬間に思いました。勝てないです。強さの桁が違うのを感じ取りました。
こちらがやられる方で、あちらがやる方で、圧倒的勝者なのだと感じました。人間に勝ち目はないので、暗くなったら庭にも出ないようにしています。
どうしても出ないといけない時はライトをつけて(街灯はほとんどないため)、カサを手に持って(武器として)、家族と数人で庭を通ります。足がめっちゃ速いうえに牙も大きいので気を付けましょう。
それと、猿ってマジで凶暴です。危険です。集団でとびかかってきますから。あと女・子供は真っ先に狙われるのでご注意を。
私は窓越しに、サルの群れとガラス戸の叩き合いになったことがありますが、牙をむいてうなりながらガンガン窓を叩く猿は本当に怖かったです(家の中の私と、ベランダを通るサルの群れのボスとで叩き合いになりました)。
蛇ですが、割とよく出ます。巣穴も庭に掘ってます。我が家でよく出るのはアオダイショウですね。鶏を飼っていた時も襲われかけて大変でした。思ったよりデカいので、うっかり家の中にはいられないよう注意しましょう。
このように、自然に癒されるかどうかというと間違いなく「YES!」なのですが、それと同時に自然が危険な存在であることもしっかりと頭に入れておかなければ、ド田舎暮らしはデンジャラスなことになるので注意してくださいね(*´▽`*)
あとリスはとにかくかわいいだけの心癒される生き物なので、そこは強く言っておきたいと思います。いつ見ても可愛いです。
花粉症やアレルギー持ちにはちょっとツライ
私は花粉症なのですが、家から離れて都市部に出ると症状が軽くなることが多いです。なぜならブタクサとかそういう山に生える雑草の花粉に反応しているからです(;´∀`)
木々に囲まれていますので、花粉からは逃げられませんよ。
例えばイネ科のアレルギー持ちの方が田んぼがたくさんの農村に住んじゃったら、コメの花が咲く時期なんかは辛いものになると思います。
私は花粉症の時期は窓を閉め切り、空気清浄機をかけて、洗濯ものは部屋干しにして、抗アレルギーの目薬や鼻炎スプレー・ステロイド軟膏などを使って何とか乗り切っています。
空気清浄機はリビングに1台、そして寝室にも1台用意しましょう。
あとアレルギー持ちの皆さん。
私もアレルギー持ちなんですが、野草にはわりとかぶれやすいものが多いです。庭に生えた謎のツタを取り除いていたらかぶれて病院行きということもあります。
必ず、分厚い手袋をつけ、長袖長ズボンで草むしりをしましょう。真夏でもです。
なおヒガンバナは全身かぶれましたので、特に気を付けてください。治るまで1カ月かかりました。。
あと虫のサイズも大きいので、虫刺されはけっこう腫れあがります。
特に怖いのはムカデ・クモ・ヤブ蚊ですね。夏にはムカデはどこからともなく家の中には行ってきますので、出来れば家の周りに殺虫剤的なものをまいておくとよろしいかと思います。
我が家では粉状のものを家の周りにぐるっと一周撒いています。
スズメバチは怖いとかじゃなく、命に関わるので本当に気を付けてください。
あいつらの飛ぶ音は大きいですし、威嚇する時はカチカチと音を出しますので、まず気付かないってことはないと思います。気付いたら速攻で走って逃げましょう。
すでに一度スズメバチに刺されたことがあるという方は、出来るだけ草むらの中などは入らないことをオススメします。せめて8月下旬~9月一杯だけでも、スズメバチのいそうなうっそうとした木々の生えている場所や草むらには入らないように。
災害時には孤立する可能性
過疎地に住む場合、台風で土砂崩れとか、そういう災害時には孤立する可能性があります。
昔、台風で土砂崩れが起きて一時的に孤立したことがあります。といっても1日でしたが。
やはり自然が多いと、大雨で土が流れ出たり崩れたりします。そして都市部よりも救助は後回しになることでしょう。
孤立しても数日は大丈夫なように、水と食べ物を常備する癖をつけておいた方が安全ですよ。
我が家では水はペットボトル入りのものを箱買いして廊下に積み、そのまま食べられるパウチ入りのおかゆや缶詰、カップラーメン、カロリーメイトなどを備蓄しています。
アルファ化米も置いてますし、カンパンなどもあります。
こういうのは地震の時の非常食にもなりますので、しっかり供えておきましょう。
割とお金がかかる田舎暮らし
……ということで、本当に田舎で暮らしてみると、自然と生きるってわりと大変なんだなぁと感じます。
まぁ、虫に関してはしっかりした家であれば、家の中までの侵入は防げるかと。我が家は築45年ほどなので、網戸の隙間が大きすぎて虫が入り放題だったりすするので…(窓枠自体が歪んでいてスキマが直らんのです)
野生の獣は基本、危険なので注意です。限界集落ともなると、村の端っこの方では街灯もあんまりないので夜は真っ暗です。
庭を荒らされる場合は自分でセンサーライトや超音波の出る獣除けなどを設置して、自衛しましょう。罠にはまずかからないと思って下さい。頭いいです。
あ、でも野生のタヌキとリスは危なくはないです。大人しいし。
ただ病気を持ってそうなので触ったりはしないようにね!野鳥も同じくですよ。
田舎で畑をやりたい!って場合は、畑を買う・もしくは借りるお金と、防獣柵を立てる費用もかかりますのでご注意を。でないと収穫の時期にイノシシや猿、タヌキ、トンビやカラスなどに綺麗に食べられちゃいますのでね。
あと雑草を草枯らしで何とかしたい場合は、除草剤代もけっこうかさみます。どんどこ生えます。薬を大量にまいても数カ月すれば、また草ボーボーです。
それと、ササは除草剤でも枯れないです。いさぎよく諦めましょう。
お店自体が少ないので、激安競争とか価格をいかに下げるかみたいなのはあまりないです。大手のチェーン店(ドンキとか大手ショップモール内など)だとちょっとありますが、都市部ほどの価格競争は行われていません。
移動販売は高いので、基本自分で車を運転して、ちょっと栄えているところまで出てから日用品や食料品を買っています。
田舎だから物価が安いとは限りません。あと”野菜はご近所さんが毎日タダでくれる”というのはテレビの話です。テレビカメラがなければ、だれもタダで野菜や魚は持ってきてくれません。普通に売りに出しますからね。
車の燃料費はもちろん家族分必要です。駐車場を借りるのであればその分の費用も掛かりますよ。
そんなこんなで、住まないと分からない本当の田舎暮らし・自然と暮らす編をお届けしました。