台風で52時間も停電してました…体験談&役に立った防災グッズ

停電中のろうそく

台風21号で、西日本で大きな被害が出ました。被災された方々には、心よりお見舞いを申し上げます。

私が住んでいる地域(和歌山市)はどうだったかというと、台風の直撃ルートだったのでかなり被害が出ました。

ご近所さんの目もあるため写真を撮っていないんですが、私の住む村では以下の様な被害が出ました。

・電柱が折れる
・電線が切れる
・海の水と一緒に砂や流木が道路に上がる
・高潮で床下浸水
・屋根が飛ぶ
・窓ガラスが割れる
・壁が剥がれ落ちる
・舟が港に打ち上げられる
・カーポートの透明の部分が飛ばされる
・停電
・断水

我が家は有難いことに、玄関のガラスにひびが入ったり、物置の一部が飛ばされるくらいで済みました。

あとは停電です。停電が52時間ほど続きまして、それが辛かったですね。

3日間ほど停電して思ったことや、役に立ったグッズなどありましたので、体験談としてまとめたいと思います。

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台風が直撃した日。停電直後までの話

停電中の冷蔵庫

9月4日の昼頃、台風が直撃しました。

最初から来ると分ってましたので、あらかじめ飲料水を箱買いしておき、冷蔵庫の中にある生ものはほとんど食べきっていました。

この1つ前の台風でも1晩停電しましたので、大きいサイズの保冷剤をたくさん冷凍庫に入れて凍らせていました。


雨戸は朝から全部締め切って、飛びそうなものは車庫に入れたり、ロープを張って飛ばないようにしていました。

だいたい13時ごろだったでしょうか、風の音が激しくなってきました。

今まで聞いたことのないような音で雨戸が揺れます。地響きのようなガタガタという揺れで、雨戸だけでなく家ごと揺れてるのではないかと思うくらいで恐怖を覚えました。

一番風が強かった時は、台風というより竜巻でも起こってるんじゃないかと思うような、今まで聞いたことがないような音がしました。

ひびが入った玄関のガラス戸

その時、玄関から『バチーン!』と大きな音がしました。

急いで行ってみると、玄関のガラス戸に大きくひびが入っていました。ワイヤーの入ったガラスなので、飛び散ってはいませんし穴も開いていませんが、また何か当たって大きく割れたら風が吹き込んで大ごとだなと、かなり心配しました。

そうしている間に、次は停電です。

最初は1秒だけ電気が切れてすぐ直るというのを3回ほど繰り返して、その後にもう電気が付かなくなりました。

風はまだまだ激しく、復旧は夜まではかかるだろうと思い、スマホを使うのを控えて横になっていました。ネットが繋がらないと仕事もできませんから…。

停電当日の話。クーラーボックス&保冷剤が大活躍

クーラーボックス

停電してすぐ、冷凍庫の大きな保冷剤を冷蔵庫にうつしました。

硬い四角いプラスチックに保冷剤が入ったタイプのやつです。

冷凍庫のものは、クーラーボックスへ移しました。

あらかじめ中身を減らしていたこともあり、保冷剤をたくさん入れても全てクーラーボックス内に収まりました。

以前停電した時は、1晩くらいなら余裕で持ちましたので、この時はまだまだ余裕の心持ちでした。

だんだん暗くなり、風がやんできました。スマホで調べてみると台風が過ぎ去ったようでした。

玄関のガラス戸はさっきのまま、なんとか割れずに済みました。

夜はまだ余っていた冷凍の鶏むね肉を焼いて食べました。ご飯の代わりに、使いかけの乾麺のうどんと、あとは豆腐があったので冷ややっこを食べました。

我が家はまだ都市ガスが通っておらず、プロパンガスなので、ガスを使えるのがかなり助かりました。

夕食も暖かいものが食べられましたし、もしご飯が食べたくなったら、鍋でご飯も炊けます。オール電化のご家庭は大変だったと思います。

まだ薄明かりが残る時間帯に、あらかじめ汲んでおいた水で顔を洗って、真っ暗になった夜7時半ごろに就寝しました。

(我が家は断水しなかった地域なんですが、大量に水を汲み置いていたのでそれを使いました)

クーラーが付かず暑いかと思いましたが、その日の夜は涼しくて窓を閉めて寝たくらいでした。

停電が24時間を超えると精神的にきつくなってきた

停電したのが9月4日の12時50分くらいでした。

翌朝起きた時、さすがにもう電気は付くだろうと思っていました。……が、まだ停電しています。

そんなバカな!と思ってブレーカーを確認しますが、上がったまま。やはり停電中のようです。スマホで調べてみると、和歌山県内ではかなり大規模な停電が起きているようです。

近所の方の話では、電柱が倒れたところがあるということでした。

朝ごはんにはウインナーと、あと冷凍のおにぎりをフライパンで焼いて食べました。冷凍おにぎりがなかなか中心まで温まりにくいというか、外側だけ焼け焦げてしまうので、水を少し入れて焼きました。

飲み水は、買い置きの天然水です。

断水はあんまり広い地域では起こってないようですが、私の住んでいる地域では断水した区域がありました。そちらでは給水車が来たようで、皆さん水を汲みに行っていました。

水タンク

我が家で活躍したのは20Lほど入る水タンクです。

さっきも書きましたが、我が家は断水しませんでした。でも勿体ないから使いきろうということで使ったんです。

蛇口がついてるので、普通の水道みたいに使えてめっちゃ便利でしたよ!これは本当に断水した時にいいアイテムだなと思いました。

マンションだと停電したら水も使えなくなるという方が多いと思います。

こういう大容量で蛇口の付いた水タンクがあると、めっちゃ便利ですよ!

すぐ近くまで復旧してるのに・・・

停電から28時間が経ちましたが、いっこうに電気が付きません。

そんな時、ついそこのご近所さんの家までは電気が復旧したという話を聞きました。なんだか、精神的に辛くなってきました。そこの家までは電気が来てるのに、何でうちには来てないんだろう?という考えが、頭の中をグルグルします。

ラインで聞いてみると、姉夫婦の家もすでに復旧済みで、母の妹の家なんかはその日のうちに復旧したそうです。

すぐそこには電気が来ているのに、我が家は真っ暗なまま2日目の夜が来る。

「もしかして、我が家も停電が直ったと勘違いして作業員さんが帰ったのかも。我が家がまだ停電してるって、誰も知らないのかも?!じゃぁもう復旧しないってことじゃ……」

そんなことをずっと考えていました。

停電2日目の夕方ごろに、関西電力さんに知らせなければと思って電話をかけましたが、何度かけても繋がりませんでした。

スマホがまた充電切れになったので、モバイルバッテリーで充電しました。3回は充電できるくらいの大容量のものを買ってましたので、助かりました。

車庫のシャッターが開かない!買い出しに行けない問題

停電中のろうそく

↑夜はこんな感じで、アルミ缶に入っているタイプのろうそくで過ごしました。けっこう明るかったです。

トイレに行く時などは100均の小さな懐中電灯が使いやすかったです。ちょっとしたところに置けるので、トイレットペーパーのホルダーに置いて使ったり、窓枠に置いて使ったりしました。

お風呂は2日続けて入れませんでしたが、水でささっと顔などを洗っておきました。

そうそう。

長いこと停電してみて気付いたんですが、我が家の車庫のシャッターが電気での開閉なので、開かなくなってました。

シャッターが開かず車を使えないということは、想定してませんでした。

いつもその日のうちに復旧したり、朝になったら復旧したりしてましたので…。


非常時に手動で開けるためのチェーンを引っ張って開けようとしますが、全く開きませんでした。。。本当に手動で開けられるかどうか、試したことなかったっけ。

おかげで買い出しに行けず、困りました。

電気での開閉式のシャッターをお持ちの皆さん、電気が止まった時に手動で開けられるか確認しておいた方がいいかもしれません。

停電3日目から食べ物に苦労し始める

アルファ化米

災害時用にアルファ化米を備蓄しているんですが、一度試しに食べたら激マズだったので、こんな時でも食べませんでした(;´∀`)

いやー、命にかかわる事態だったら食べるんですけどね。

停電3日目になっても食べる気になれず、カップラーメンとキュウリを食べました。そのまま食べられるし保存も効くので、野菜は有難かったです。

夏で暑かったのでカップ麺を食べられたのは朝だけで、昼は梨と食パン(焼かずにそのまま)を食べました。ちなみに昨日の夜は、レトルトパウチに入ったおかゆをそのまま食べました。

パンは焼こうと思えばフライパンで焼けましたが、面倒でやめました。

何故だか分かりませんが、毎日辛かったです。停電だけでこんなに辛いなんて、思いもしませんでした。

台風が過ぎ去った翌日からは、暑くて暑くて。水筒を触るとひんやりするものですから、水筒を抱いて横になっていました。

水はたくさん飲んでもまだまだあったので、それは安心できました。買い置きしておくものですね。

停電して一番大変だったのが、冷蔵庫が使えないことです。

作ったご飯は食べきれなかった分を捨てるしかなかったので、もったいなかったなぁ。食べ切りの量で作れなくって。停電1日目の夜に作ったおかずは捨てました。

いつもラップして冷蔵庫へ入れてますけど、あれはなんとも有難い神機能なんだなぁと気付きました。

カップラーメンとか缶詰とかもあるし、ご飯も鍋で炊けるんですけど、それでも冷蔵庫のものはどんどん使えなくなっていくし、うまく献立が考えられませんでした。

作る気力もなかったです。

食べるものはあるんだけど、いつもみたいなものは食べれないし、パンとかうどんとか、あと缶詰とかカップラーメンとか、そのまま食べられる野菜や果物とか、そういったものを食べていました。

ついに停電が直った!やっと復旧したー!

缶入りローソク

(写真は2晩お世話になった缶入りローソク)

ついに丸2日の48時間を過ぎ、3日目の夜が訪れようとしていた頃………

やっと、やっと…停電が直りましたーーーー!!!!

いきなりテレビがついてビックリしました。(あとになって知りましたが、通電火災というのがあるので、停電したらブレーカーを落としておいた方がいいようです)

家族みんなで飛び上がって喜びましたよ!

「ついたーーー!!!」と口々に叫びました。

停電して夜が来て、朝が来ても復旧してなくて、また夜が来てうなだれて…その次の朝もまだ停電で。

そして3回目の真っ暗な夜が来ると思っていた時間帯に電気が来たので、めっちゃ嬉しかったです。泣きそうなくらい嬉しかったです。

急いでクーラーを付けて、お風呂を沸かして入りました。

夕ご飯は近所のスーパーに残っていたパンを父が買って来てくれたので、それを食べました。何かを作る気力は無かったですし、スーパーにはお総菜などがありませんでした。

(残っていたものだけ売っていたようです)

防災士厳選の防災グッズ39点セット【ディフェンドフューチャー】

買い出しに行ってみて被害の大きさに気付く

電気が復旧してから、空っぽになった冷蔵庫に入れるべく買い出しに出かけました。

私が住む村は海が近いのですが、砂や流木が道路の上に大量にありました。カーブミラーは全然違う方向を向いていました。

屋根が飛んだ家があったり、港に乗り上げた壊れた船もありました。瓦屋根の吹き飛んだ家と、カーポートの透明の板のところが吹き飛んでいるところがすごく多かったです。

壁が落ちてしまった薬局もあったし、スーパーや映画館、飲食店などが入っている大型の商業施設では、屋根が飛んだらしく2階の天井が落ちていました。

中に入っているスターバックスやサイゼリアも営業停止中でしたが、他のお店は開いているようでした。

映画館はいつ営業再開できるか不明だと書いていました。あの状態だとなかなか時間はかかりそうです。

くら寿司に寄って帰ったんですが、メニューがいつもの半分以下くらいになってました。まだ復旧したてで大変なんだろうな。

祖母の住んでいた家も見回ってみましたが、まだ停電していました。もう誰も住んでないのでいいですが、このあたりに住んでいる方は大変だろうなと…。

えらく長文になってしまいましたが、こんな感じで停電52時間を経験しました。

家は無事だし、水は出るし、ガスは使えるし、かなり恵まれているにもかかわらず、大変な思いをしました。

電気の大切さを痛感した出来事でした。ストレスが半端ないです。いつも通りの生活ができないというのは本当に精神的に参りました。

今度は北海道で大地震があり、また近畿でもまだ停電や断水が復旧していない地域もあり、どんなに大変だろうかと思います。

今後もまだ台風が来るでしょうし、その他にも災害がある可能性もありますから、また備えておかねばいけませんね。

最後になりましたが、今回の停電で役立ったものリストを載せておきます。

~あって役立ったもの~
・モバイルバッテリー(何度か充電できるもの)
・缶入りローソク(倒れないし電池もいらないので便利)
・箱買いした水
・大容量の水タンク
・大きな保冷剤
・クーラーボックス
・紙コップ、紙皿、割りばし
・レトルトパウチに入ったおかゆ(ご飯代わりになる)
・缶詰
・常温保存できる果物や野菜
・小さいサイズの懐中電灯(たくさんあるとよい)
・車(エンジンをかけてスマホを充電できるので助かる。暑い時は涼める)

~あったらいいのにと思ったもの~
・赤ちゃん用のおしりふき(お風呂代わりに)
・ランタン
・ソーラー式の充電器
・ガス&鍋でご飯を炊く技術(結局コメは炊きませんでした…)
・常温保存できる食べ物を色々(パンは何もしたくない時に便利)
・洗い流さなくていいシャンプー

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