つい最近、加温水槽を始めたchicacoです。
私は水槽に使うヒーターのことなんて全然知らなかったんですが、これ、分からない時にはホントに何を使えばいいかとか、どう使うか、どう設置すればいいか、どんな種類があるのかとか…全く何も分からないですよね?
そこで、水槽用ヒーターにはどんな種類があるのか、どんな人にどんなヒーターがオススメか、メリットデメリット、使う時に注意しなければならないことについて説明していきます。
アクアリウムに使うヒーターは主に3種ある
水槽に使う、水中用のヒーターはザックリ別けると3種類あります。
・設定温度が一定のヒーター
・設定温度が自由に変えられるヒーター
・サーモスタット用の交換用ヒーター
これらの中から自分がどれを使うのかを考えなければいけない訳なんですが、値段だけで選んだり、何W(ワット)なのか調べないで買っちゃうとちょっと困ることもあるので、それぞれ詳しく説明していきますね。
温度固定式ってどんなもの?
まず、設定温度が一定のヒーターについて説明します。これは例えば「自動で26度に設定」とか「自動で18度に設定」とか、そういう感じで『とある温度にしか設定できないヒーター』のことです。「オートヒーター」って呼ばれてます。
一番よく見かける&一番安く売っているのが、26度設定のオートヒーターです。
熱帯魚って、だいたいこれくらいの温度で飼育するものが多いらしいです。なので一番メジャーな温度設定が26度なのです。
他には、メダカに冬でも産卵させるっていうのが23度設定、金魚やメダカ向けで省エネのものが18度設定で売ってますね。メダカは加温しなくても大丈夫なんですけど、冬でも繁殖させたい場合は23度くらいの温度が必要になります。あとダルマ体型のメダカとか、そういう寒さに弱い子は加温が必要です。
オートヒーターには、超小型水槽向けのめっちゃサイズの小さいものも売られています。なので、小さい水槽でベタを飼育している人にも向いていますね。
ただ、今の水温から徐々に水温を上げていきたい場合・病気になった時など体調に合わせて設定温度を変更したい場合などには向きません。例えば15度から26度へ徐々に上げたい場合や、白点病の治療のために一時的に32度設定にあげてからまた徐々に下げたい場合などは、このオートヒーターは使えません。
・水温は変更できなくて一定で良い
・現在の水温が、購入予定のヒーターの設定温度とそんなに差がない
・超小型水槽に使えるものが欲しい
・とにかく安いものが欲しい
※例えば現在の水温が15度で、23度設定のオートヒーターを買った場合、一気に水温が8度も跳ね上がりますので生体に危険です。こういった場合は設定温度が変更できるヒーターを使いましょう。そして徐々に水温を上げていくようにして生体への負担を減らしましょう※
温度可変式で一体型の場合
次は、設定温度が自由に変えられるヒーターです。
これには「サーモスタットとヒーターが一体のもの」と、「サーモスタットとヒーターが別売りのもの」の2種類があります。
ここで紹介するのは一体型のもの。つまりはサーモスタットっていう設定温度を変更する部分と、水中へ入れて実際に水を温めるヒーター部分が一緒になったものです。
これはサーモスタットとヒーターが別売りのものに比べて、値段が安いのが特徴です。
なのでついついこちらを選んでしまいがちですが、一つ注意点があるんです。それは、基本的にヒーターっていうのは使用1年で買い替えるもの・消耗品であるということなんです。
設定温度を管理する部分はまだまだ使えても、水を温めるところは1年ごとに買い替え必須。でも一体型を買った場合、ヒーター買い替えの時にサーモごと買い替えになっちゃいます。なので、今年1年しか使いません!っていう場合はいいんですけど、そうじゃなく何年も使う場合はコスパがよくありません。
・水温の設定温度は変更可能なものがいい
・とにかく安いものがいい
・今年1年しか使わない予定だ
・コスパは悪くていいので水槽内がスッキリする温度可変式ヒーターが欲しい
※一体型は水温センサーを水槽内に取り付けなくていい分、別売りのものより水槽内がスッキリします※
サーモと別売りの交換用ヒーター
↑こちらが私が買ったものです。交換用のヒーターです。
これは別売りのサーモスタットにつないで使います。もちろん温度は変更可能ですよ。
これは、ヒーター部分だけ毎年買い替えればよく、サーモは同じのを使えるので、何年も使う場合にはコスパがいいです。あともしヒーターが故障しても、ヒーター部分だけ買いかえればいいので安上がりです。
サーモスタットからは3本の線が出ており、1本がコンセントに差すもの、もう1本は水温センサー、残り1本はヒーターのコンセントを差し込むところとなっています。
だいたい水槽を加温したいという場合、今年だけ!っていう限定した使い方にはならないことが多いんじゃないかと思うので、コスパで言えばこのサーモ部分とヒーター部分が別売りのものを買うのがオススメです。のちのち得するかなと思いますよ。
万が一の故障に備える場合、サーモを1台、交換用ヒーターを2台買っておけばOKです。
なお、水温センサーとヒーターを水槽内に取り付けなければいけないので、見た目がちょっとアレですね、コードまみれになります(;´∀`) 私は見た目は二の次なのでいいんですけどね。
・加温したいのは今年だけではない、来年も加温したい
・コスパを考えて選びたい
・水槽の見た目よりも実用性を求める
・来年以降もヒーター部分だけ買い替えて使うつもりだ
ココだけ注意して買ってね!W数に注意
なお、サーモスタットだけ買う場合、商品に「何W(ワット)までのヒーターが使えます」と明記されてます。例えば私が買った交換用ヒーターは80Wです。サーモスタットは300Wまで対応のものです。
例えば300Wまでしか対応していないサーモスタットを買った場合、350Wのヒーターは使えませんので注意してください。
W数の多いサーモの場合は、ヒーターのコンセントを差し込む部分がいくつもあったりするんですよ。つまり1台でヒーター2本分とか3本分が使えるのです。こういう場合は1つのヒーターが150Wの場合、2本で300W、3本で450W使用することになります。
そんな感じで、自分が使うワット数を計算してから買うようにしてくださいね。
なお、水槽1本しか持っていない場合は、300Wまで対応のものでイケます。
何W(ワット)のヒーターを買えばいい?対応水量について
さて、私も悩んだのが「何Wのヒーターを買えば正解なんだ?」ってことです。
約20~40L以下 100W
約30~60L以下 150W
約40~100L以下 200W
約100~140L以下 300W
ただ、これは室温が15度以上ある場合の話になります。つまり部屋の温度が2度とかの超低温になる場合、26度設定のヒーターでも26度まで上がらない場合があるので要注意です。
そんな場合は、保温シートや発泡スチロールなどを水槽の3面に貼りつけるなどして、できるだけ水槽の温度が逃げて行かないように工夫してみて下さい。
例えば私の場合は↓
こういう感じで、段ボールに防音用マット(床に敷くやつ)を貼りつけて水槽の3面を覆っています。残り1面は日光を取り入れるように開けてます。
ちなみに私は、水槽に実際に入っている水の量が23L前後くらいで80Wのヒーターを使用中です。
マットで覆ってるお陰なのか、窓際に置いていますが設定温度+1度くらいで安定してます。温暖な地域に住んでるっていうのもあるかも。関西在住で、雪なんか積もることのない地域です。
それでも水温が上がってくれないくらい寒い場合は、もう1段階W数の多いヒーターに買い替えるか、あと1本追加して2本のヒーターを使うかですね。
でもまずは、発泡スチロール板やスタイロフォームなどの断熱材を買って来て、水槽にピタッとくっつけて貼るところから始めるといいかと思います。特に分厚いスタイロフォームは断熱効果バツグンですよ。ホームセンターなどに売ってます。
カバーは付いてる方がいいか否か
ヒーターには、カバーが付いてるもの・ついてないものがあります(ついてないものは別売りのカバーが売ってますが、メーカーや型番を間違うと取り付けられないので要注意です。どのヒーターに使うためのカバーなのかをしっかり調べてから買いましょう)。
最初からカバー付きで売られているものが多いですね。ただ、例えば稚魚がカバー内に入ってしまい、抜けられなくなって亡くなることもあるにはあるそうです。そういう場合はカバーはない方がいいかもしれません。
逆にカバーに開いた穴に入れない大きさの魚の場合、カバーがあった方が安心できますよね。
それに、うっかりガラス面にヒーターが直接触れて、ガラスが熱せられて割れるなんてことも起きないでしょうから、そういう意味ではカバー付きの方が安全度は高いのかなと感じます。
ただ、生体のカバー内への侵入が気になる場合は、カバーが付いていないものを買ってもいいんじゃないかなと思いますよ。
ヒーターは縦に付ける?横に付ける?水中から出ないよう注意!
ヒーターですが、基本、横向きに付けます。
だいたい底砂から3~5cmほどのところに付けるんですが、これは温められて軽くなった水が上にあがっていくためです。ヒーターの下部分の方が水温が低くなっちゃうので、下の方に取り付けます。
ですが、商品によっては「縦につけてOK」なものがあります。これはもちろん、縦に付けて大丈夫ですよ。超小型水槽に入れる一定型のヒーターに多いです。ベタ用のものとか。
縦に付けていいと書かれていないものについては、必ず横向きで地面に平行になるよう取り付けましょう。
基本、説明書に詳しく書かれているので、それらをしっかり読んでみると分かりやすくていいですよ(*´▽`*)
あ、そうそう。最近売られているものは、万が一水中から出てしまっても火が付かないようにちゃんと設計されているんですけど、それでも空気中に出ちゃうと故障します。なので、水からヒーターが出ちゃわないように気を付けて下さいね。
特に冬場は乾燥も激しいですし、水を温めていればなおさら水の蒸発量が増えますので…こまめに水足ししましょう。
一緒にフィルターやエアーポンプが必要な理由とは
ヒーターで加温する場合、フィルターやエアーポンプも一緒に使用することになります。
これは、温められた水が水槽内を循環するための水流が欲しいからです。水流がなかったら、ヒーター付近だけ温かくなっちゃいますからね。
メダカやベタなど水中が苦手な魚を買う場合は、スポンジフィルターや底面フィルターなどの水流が弱いフィルターを使用するようにしてください。フィルターを使わない場合は、エアーポンプ(ブクブクのことです)を使いましょう。これだけでもちゃんと水流ができます。
(こちらの記事に水流の弱め方やエアー量の調節について書いてます)
なお、10L以下などの超小型水槽の場合、「ヒーターに温められた水が上昇して水が動くので、フィルターやエアーは使わない」って方もいらっしゃいます。少ない水の場合は、生体が泳いだ時のわずかな水流や、熱せられた水が上昇することで出来るわずかな対流だけでも、水槽内がちゃんとムラなく温まるという考えのようですね。
この辺は各自の判断ということでお願いしますm(__)m
誤差があるよ。水温計は必ず買ってあげてね!
(写真はダイソーで買った水中用水温計です)
なお、水温計は絶対に買ってあげて下さいね。でないと実際に何度か分かりませんから。
ヒーターやサーモスタットの商品情報を読むと分かりますが、必ず誤差の範囲が書かれてます。例えば「±1度」とかです。この場合、26度設定にしても「25~27度」くらいの水温になるよってことです。
あと、水量が少ないと設定しているよりも水温が高くなってる場合もありますので、必ず水温計を買って取りつけてあげましょう。できるだけヒーターから離れた位置で、なおかつ生体がいるあたりの高さに付けてみてください(だいたいでいいです)。
私は水温計はダイソーのを使ってるので1本108円です。お安いですが、問題なく使えてます。
ちなみに私はヒーター付近と遠くと、2本使ってます。ちゃんと水が循環して、水温にムラが出来てないかなーというのを見るために2本取り付けました。(水温計は、ヒーターの真上には付けないようにした方がいいです。温められて上昇してきた水の温度しか計れなくなるのでややこしいです)
超小型水槽の場合はパネルヒーターも使える
これは超小型の水槽、例えば3Lなどのごく少量しか水が入ってない場合などに使う方もいらっしゃるのですが、パネルヒーターっていう薄っぺらいヒーターを使う方もいます。
これは、水槽の下に敷いて使います。
水中じゃないですよ、ガラスの外側、つまり机と水槽の間に敷いて使います。パネルの上に水槽を乗せるってことですね。
ただ、これは本当にめっちゃ少ない水の場合です。でないとそんなに水温が確保できません。思ったように上がらない場合がありますので……。
愛猫の飲み水を温める用に、小さいピタリ適温っていうパネルヒーターも買って使いましたが、500mlでもそこまで温まらなかったです(;・∀・)
しかもパネルヒーターってわりと高いんですよね。ハムスターに使っていたものは3,600円ほどしましたし、それなら水中用のを買った方が安いかなって感じです。でもそこはもちろん、お好みで!
なお、水に濡れるのがダメって書いてある場合は、水槽には使わない方がいいですよ。
ちなみにハムスターに使っていた時は、絨毯の上にパネルヒーターを敷き、その上に衣装ケースを改造したハムスターケージを置いて、毛布でくるんでました。そういう使い方しかしてませんが、全く問題なく使えてましたよ。容器が変形するとか熱くなりすぎるっていうことは、1度もなかったです。
……と、そんなこんなで水中用ヒーターについて、私自身もここが分からない!と思ったところをまとめてまいりました。
実際に使うまでは分かりづらいですよねー。とりあえず買うって言っても高い買い物だし。ってことで、どなたかがヒーターを探す時の参考になれば嬉しいです。ではでは~